妹に死ねと言われた。

年齢的に考えて時間はかかるが少なくとも俺はお前よりも先に死ぬだろうから安心してくれ。
だけどできれば俺は自分の最期は誰かのために使いたいと思っている。
例えばほら、食人嗜好ってあるだろう。死にたくなった頃にそういう人を家に招待して、俺を解体して調理して喰ってもらう。
俺は神が嫌いだ。神は喰う側だ。神と同じは嫌だから俺は喰われる側になる。かといって神に喰われるつもりもない。
どうせなら愛する人が良い。だがいかんせんまだそういう人に巡り会えていない。だからこれから探す。
でもコウモリの肉ってどんな味がするんだろうな。そのままだと病気だらけらしいが。
コウモリの死体を噛み千切って病院送りになったロックスターの話を前に客から聞いたことがある。
俺はコウモリ混りであってコウモリそのものではないからセーフかな。どっちみち味の保証はできないかも。
血の一滴まで残さず食べてほしいが俺は俺が食べられる様を見ていたいから、右目だけは調理せずに残しておいてほしい。一種の自己陶酔だろうか。
愛する人の胃袋に収められていく俺を俺は残された右目で見ながらだんだんと意識や思念が薄れていって、そのまま死ねたら最高だ。

というようなことを妹に言い返したら「なに真面目に受け取ってんだよキモいから早く死ね」と言われた。
反抗期の扱いは難しい。そのまま死ねたら最高だ。